秋日濃し絵図と比べる干拓地

早島公園の山上に絵図が設置されている。絵図には今一望している場所の干拓が始まった頃の様子が描いてある。ようするに見えている場所のほとんどが、かつては海の底だったようだ。遠い昔に想いを馳せる、ここが海だったとは、、、。(2017年秋詠)

こぼしつつ犬戻り来る草の露

掲句は昨年、今年は急に年老いて外に出しても遊ぶ事が少なくなりました。今年の夏では無理も無かったのですが、少し涼しくなって来たのでまた少しずつ散歩の距離を伸ばして行こうと思っています、、、。(2017年秋詠)

蟋蟀の声を転がす坂の道

歩きやすそうで歩きにくいコンクリート舗装の急坂、下ろうとすると古くなってざらついた路面に、これもすり減った安物のスニーカーの靴底は今にもすべりそう。おりしも側の草むらから聞えて来た蟋蟀の声、蟋蟀の声は最初から転がっている、、、。(2017年秋詠)

秋燕の残る一羽に空広く

掲句は昨年の秋燕、今年は七月の豪雨後に急に燕の姿を見なくなった。さっさと帰ってしまったのか、豪雨の無いところへ引っ越して行ったのか、見かけるのはごく少数。例年ならまだ多くの燕が見られる頃です、、、。(2017年秋詠)

警笛の木霊が二つ秋の声

八月も今日までです。七月の豪雨で不通になっていた我が家の裏を走る鉄道、ダイヤは普通と違うようですが、数日前から走り始めました。使う事は無いですし、走らないほうが静かでいいやと思ったりもしましたが、走れば走ったで良いものです。窓に学生の白いシャツが見えます。明日から新学期です、、、。(2017年秋詠)

秋風や熊のパン屋は楽鳴らし

ひとつ向うの通りを音楽を鳴らしながらやって来る移動販売のクマさんマークのパン屋さん。買ったことは無いのですが、のんびりした音楽が美味しそうで秋風によく合う。時々求人広告に出ているからフランチャイズ式のチェーン店なのでしょう、、、。(2017年秋詠)