数年前から良い仕事をするなあと注目していた某社、最近ではテレビでもCMを見るようになった。解体という言わば裏方の仕事だが、手際よくきれいな仕事をする。従業員にさぼっている姿が見られない、目が合えば会釈を返してくれる。時代のニーズもあるだろうが、なるほどなあと思っている今日この頃です、、、。(2017年秋詠)
投稿者: 牛二
送舟残る渡しの船だまり
掲句は昔日の思い出、今は川に物を流すのは禁じられているはずですが、それでも時々川岸にとどまっている送船を見かける事があります。それも、悪い事に舟も飾りも発砲スチロール、いつまでたっても自然には還らない、、、。(2017年秋詠)
くぐもれば年寄の声処暑の朝
やっと処暑までたどり着きました。今年の夏は大変でしたね。年寄だから年寄の声で良いのですが、たぶん一晩中大きな口を開けて眠っていたのでしょうね、、、。(2017年秋詠)
爽やかや風に絵馬鳴る阿智神社
山の上にある阿智神社の絵馬堂は風がよく通る。絵馬堂にたどり着くと、そこまでの石段のきつさゆえに余計に風が気持ち良い。たくさんの絵馬がカラカラと乾いた音を立てている、、、。(2017年秋詠)
住み旧りし空広き地の鰯雲
私の育ったところは両側に山が迫ったⅤ字型の谷底のような所でした。だから空も狭く、鰯雲は山から山にかかり空一面を覆ってしまいます。それに比べると今住んでいる所は空が広い。高い建物もなく、空がずいぶん遠くまで見えます。だから鰯雲も空一面を覆うなんてことは無く、のんびりと流れて行くように見えます。鰯雲を見る度に空の広さを想い、この地で過ごした年月を想い、そして想いはいつの間にか故郷へと移って行くのです。故郷で過ごした年月は、今ではこの地で過ごした年月の何分の一かに過ぎないのですが、、、。(2017年秋詠)
声にして追へど逃げざり秋の蚊は
また面倒なものです。眼鏡があるからいきなりは打てないと分かっているのかどうか、眉毛の一番端っこの辺に確かに蚊の気配、両方の手がふさがっているのに、、、。(2017年秋詠)
鬼灯の葉の衰へが実の色に
何年も前に古くなった鬼灯の実を埋めて置いたら、ほとんど雨がかからない場所にも関わらず、それから毎年芽を出しいくつかの実をつける。場所のせいもあるがこの時期になると葉はほとんどよれよれの状態、それでも実だけは多少衰えの見えるものの袋も中の実も外形を保って、立派に色を付ける、、、。(2017年秋詠)
流れ行く水に落着き秋の川
暑さもやっと、、、。(2017年秋詠)
くくられて千屈萩色を忘れゆく
大師堂脇にある一叢の千屈萩(みそはぎ)、側を流れる用水路に水漬くほどになり荷紐で括られている。淡紅紫色の花はお盆の大師堂によく似合う。お盆を過ぎれば、当然のように衰えて色を失って行く、、、。(2017年秋詠)
両足ではねて烏の子の一歩
散歩の途中で見かける三匹の鴉。今年生まれた兄弟姉妹なのだろう少し小ぶりで仲がよさそう。いつも行動を共にしているようだ、、、。(2017年秋詠)