こことここを開ければ風はこう通り、と記憶をたどりながら、たてつけの悪くなった実家の戸を開ける。家じゅうを一回りして座るとさっと風が抜けて行く。昔と同じ風、、、。(2017年夏詠)
投稿者: 牛二
落蝉の指出せばまたしがみつき
蝉の季節になりました。ちょっと数が少ないのは暑すぎる天候のせいでしょうか、、、。(2017年夏詠)
涼しさをもらふ町屋の夢二展
冷房の効いた部屋での展示会は夏場の吟行の恰好の逃場になる。なんて言うと受付の方に叱られそうですが、「〇〇展」の文字を見るとつい入ってしまいます。入ってはみたけれど、という〇〇展もありますが、掲句の〇〇展は大当たり。竹久夢二の絵に心まで涼しく、、、。(2017年夏詠)
遠雷を言ふて黒衣の女かな
八月になりました。夏ももう少し、、、。(2017年夏詠)
鳴き尽くす蝉の一生落ちてなほ
もう七月も終わりです。蝉時雨、蝉時雨。そろそろ帰省して墓掃除だけはしなくては、、、。(2017年夏詠)
朝涼し会釈に笑顔添へられて
さすがに日の出る前の朝は涼しい。ついつい足早、となれば良いのですが最近は老犬の歩調に合わせてゆっくり歩いてやります。何人かの人に遇い挨拶をかわしてゆっくり歩いていると、オイオイもう太陽が出て来たよ、、、。(2017年夏詠)
のら猫の次第に慣れて夜の秋
野良猫の命は短いと言うことなのだろう、我が家には毎年夏になると新しい野良猫がやって来る。掲句は昨年の夏に来て今年の正月明けに出て行った大きな尻尾とエラの張った顎の雄猫、最終的に出て行った頃の体重は10kgもあった。次第に慣れて、犬とも仲良くなり、正月は我が家の炬燵で過ごした。松が取れた頃だったろうか、出してくれと鳴くので「気を付けて行ってらっしゃい」と戸を開けてやったら、「ニャオ」と一声鳴いて出て行った。それっきり、、、。今年は少しだけ白いところがある黒猫、根っからの野良らしく常に爪を出してフーフーと威嚇してくる。威嚇しながらも餌をねだって来るので、これも早晩我が家の客人となるだろう、、、。(2017年夏詠)
パンと音立てて干さるる汗拭ひ
「ええい、暑さなんか飛んでけい!」と言った勢いの小気味好い音、某所にて、、、。(2017年夏詠)
ああと言ひああと応ふる鴉の子
今年生まれたのでしょう、まだ身体の小さい二羽の鴉、いつも仲良く遊んでいます、、、。(2017年夏詠)
煮詰まりし如くに水面旱川
掲句は昨年、今年は先日の西日本豪雨の影響で川の水量は豊かです。もっともあれっきり雨が降らない地上のほうはカラカラ、木も草も青息吐息の状態です。一雨欲しいです、被害の無い程度の雨が、、、。(2017年夏詠)