蜘蛛の囲の繕ふてまた繕ふて

全部取るのは面倒なので、とりあえず邪魔になる所の糸を切って置く。次の日にはちゃんと修復されている。また切る。また修復する。で、次第に端のほうが重なったり崩れたり、最初のきれいな巣とはほど遠くなるが、それには頓着しないようでしっかり足を広げて頑張っている、、、。(2016年夏詠)

香水の昔シャネルの五番かな

さてシャネルの5番がどんな香水だったのか、実のところ知らないが、少年の心をくすぐるにはこの名前だけで十分だった。美観地区を歩くと最近大陸から来た女性が多い。最近は服装も化粧も日本人と変わらない。レンタルの着物を着ていたりするともう見分けがつかない。分かるのは香水の匂い。今は昔、多くはないが仕事で何回か訪れた大陸に溢れていた匂い。これはいまだに変わらず人気があると言うことだろうか。これがシャネルの5番だったりすると、ちょっと夢が壊れるなあ、、、。(2016年夏詠)

古池や主の如くに牛蛙

芭蕉の古池もこんなだったのかと思う近くの神社裏の古池。魚の姿は無く、少しばかりの睡蓮と蒲が大きく育っている。住んでいるのは蛙、もちろん牛蛙ばかりではないが、存在感を示しているのは牛蛙、何匹かが周囲を威嚇するような大きな声で鳴いている。池に飛び込む音にも情緒は無い。ドッブンと飛び込む、、、。(2016年夏詠)

庭箒ふれなば動く雨蛙

どこで生まれるのか分からないものにアマガエルがいます。我が家の庭にもたくさんいますが、蛙になるまでどこで生活しているのか不明です。今の時季になると小さい(1cmにも満たないような)蛙が出現します。たくさん生まれてたくさん死んでいくという事でしょうか、踏まれたわけでもないのに、コンクリートの上で何匹も干からびています。木の上で発生して、落ちたところが硬いコンクリートだったということかも知れませんが、これは私にも助けようがありません、、、。(2016年夏詠)