尉鶲ひそと来てをり背戸の藪

何を思ったか、ジョウビタキが一羽、玄関の前の梁の上で一冬を越したことがある。昼間はどこかへ出かけて、夜になると戻ってきた。最初はどうして玄関前に鳥の糞があるのか分からず、首を傾げてばかりいたが、ある夜ふと見上げた梁からお尻が覗いていた。こちらが気づいているのを知っているのか、知らないのか、ひたすら動かないでお尻を出していた。じっくりと観察した結論は大きさとお腹の色からジョウビタキだった。春になると戻ってこなくなった。翌年また戻ってくるかと楽しみにしていたが、結局戻っては来なかった。裏の藪にジョウビタキはしょっちゅう姿を見せてくれるが、同じ鳥かどうかは分からない、、、。(2013年秋詠)