晴れていると遠くの山並が全部同じような緑に見えてしまうのですが、霞がかかると近くの山は濃く、遠くに行くほど薄い色に見えます。普段同じ辺りにあると思っていた山がずいぶん遠くにあったりするのです、、、。(2017年春詠)
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単線の駅舎は小さし風光る
秘境駅の番組があるとよく見ます。心惹かれる所があるからですね。だからと言う訳ではありませんが、前にも同じような句を詠んでいました。まあいいか、、、。(2017年春詠)
踏石に猫来て覗く縁の春
掲句、先日書いたかつての同僚邸、すぐに「シッツ!」と追い払う声、いつも来る野良猫との事。向こうも慣れたもので縁側の我々を一通り見渡すとゆっくりと離れて行った。我が家なら「いらっしゃい!」と言うところか、、、。(2017年春詠)
飛石にこぼれて春の小米雪
一昨日、寒いと思ったらまた雪がちらちら。平地で積もる心配は無い雪ですが、昨日の朝は遠くの北の山が白くなっていました。掲句は昨年、、、。(2017年春詠)
春光や埃に命あるやうな
いかに無精をしているかすぐ分かります。自分が動く度に明るい窓の日差の中を舞い上がり、降りようとしてはまた舞い上がり、まるで生き物のようです、、、。(2017年春詠)
路地裏は風のたまり場ヒヤシンス
漢字で書くと「風信子」、最近はパソコンの日本語変換でも出てきます。先ほど気づいたばかりですが、、、。(2017年春詠)
春北風梢に黙の鳥一羽
三寒四温、もう寒くはならないだろうと思っているとまた寒さが戻って来る。鳥の囀りも一休み、、、。(2017年春詠)
蹲に空のゆれをり涅槃西風
かつての会社の同僚を訪ね、縁側のひだまりで男三人が話し込んだ時の句です。縁側はひだまりですが、外の風は冷たそう。手入れの行き届いた手作りの庭に据えられた蹲、その空の映った水に漣がたっていました、、、。(2017年春詠)
啓蟄や土掘る荒き重機の手
啓蟄です。このところの暖かさでもう出ているものもいますね。重機の作業、離れて見れば面白いのですが、近づくと怖い気がします。あの一掻きに啓蟄を待ちわびた何匹の虫たちが入っているのでしょうね、、、。(2017年春詠)
反古焚きのたなびく煙霞へと
煙が霞に変わるなんてことはありませんが、遠くの家の庭にたつ煙、その続きのように霞棚引く山並が、、、。(2017年春詠)