梅東風や屋根打つ屋根のトタン板

また東風の句です。散歩コースの外れに古い市営住宅があります。ほんとに古くて、半分ぐらいは空家ではないかと思う、その中の一戸です。建物から張り出して増築されたテラスのトタン屋根、トタンの端が剥がれて重ねた下のトタンを風が吹く度に打っているのです。その一定のリズムが面白くてこんな句にしましたが、これも説明が無いと分からない句ですね。失礼しました、、、。(2015年春詠)

梅東風やべらたしらすにぽち二つ

高知で言うところの「ノレソレ」を岡山では「ベラタ」と言うらしい。その稚魚「シラス」。倉敷美観地区吟行での昼食で初めて頂いた。例によって「これは何ですか?」という句仲間の質問、お店の方の「ベラタシラスです」という歯切れの良い声。小さなガラス器に盛られた「べらたしらす」には点を打ったように小さな目が二つ透けて見えた。酢味噌で頂く。美味。(2011年春詠)