私が通った小学校の木造校舎の屋根にはサイレンがあり、朝六時、昼十二時、夕方五時に大きな音で時を知らせた。その音は、学校から二キロメートルほど離れた私の家でも聞こえるほどだった、、、。帰省した花冷えのする日、父はお茶を淹れながら、私に小学校の閉校が決まったことを伝えた。父もまた同じ小学校の卒業生だった。子どもの数は減っているし、前々からあった話だが、いざ正式に決まったとなるとショックで、余計に寂しく感じるものだった、、、。話している最中に昼を告げるサイレンの音が小さく聞こえてきた。これがこのサイレンを聞いた最後になった、、、。午笛がサイレンなのかどうか、実のところ不明です。(1999年春詠)