古い句を整理していたら出て来た句です。仕事が面白かった頃です。たぶん仕事で疲れた眼を癒そうと会社の外に出てコーヒーでも飲んでいたのでしょう。ふと見上げた空に小さくなってゆく鳥の群が、、、。(1999年春詠)
カテゴリー: 1999
花種の袋を持てば風の音
昔毎年メーデーの頃に組合から花の種が配られていた事がありました。たいそうな花ではありませんが、袋には鮮やかなカラーで咲いた花の絵が描かれ、持てばサラサラと乾いた音が聞こえます。見た目とその音で選んだ種が、実際に咲いたのかは記憶に無いのです、、、。(1999年春詠)
てふてふの自由よ塀を越え戻り
なぜか蝶々の自由さが欲しかったのでしょうね。古いこんな句がありました、、、。(1999年春詠)
手花火の起承転結すぐに闇
相変わらず暑いので夏の句を、、、。(1999年夏詠)
枕辺に閉づる句集や除夜の鐘
初心の頃の大晦日の句です。今では読みかけの句集が何冊も積んだままで大晦日を迎えています。上には多少埃も、、、。今年も一年ご愛読ありがとうございました。四苦八苦しながら続けていますが、続けていけるのも皆様の励ましのおかげです。来年もよろしくお願いします。それでは皆様良いお年を、、、。(1999年冬詠)
秋蝉のなんなく捕れてすぐ逃がす
これも昔の作品です。涼しくなりましたね、、、。(1999年秋詠)
片陰を選つて猫来る裏通り
日課の縄張りめぐり、猫だって涼しいところは知っている、、、。(1999年夏詠)
人逝くもひとつの話題春炬燵
久しぶりに田舎へ帰り墓参りをしてきた。父が亡くなったのは春のお彼岸、母が亡くなったのは秋のお彼岸、と、無精者の息子を気遣ってのことかどうか、いろいろ纏めて済ませてきた。掲句、まだ父母とも元気だった頃、久しぶりに帰ったの実家の春炬燵で、父ととりとめのない話で時間をすごした時の句。どこそこの誰それが、、、と、聞き覚えのある人の訃報に相槌を打ちながら聞いたものだが、数年後にはその父がその「どこそこの誰それ」になってしまった、、、。(1999年春詠)
風花や告別式の道しるべ
自宅での葬式が主だった頃の句です。あの頃はたいていが駐車場係をしていましたが、暑い時も寒い時も大変でした、、、。(1999年冬詠)
三日はや暦の反りの治まりぬ
かつての日本中が景気の良かった頃には、年末が近づくと取引先からカレンダー、手帳の類が山のように集まって来ました。だからカレンダーも手帳も選り取り見取りでした。手帳も良さそうな物を何冊も取っておきながら、次の年末まで机の中で眠っているような事が何度もありました。景気が悪くなると量も減りますが、質も落ちてきます。それでも会社にいるうちは何とかなっていましたが、会社を辞めてからは手に入れるのにも苦労するようになってしまいました。早く景気が良くなって巷にカレンダーが溢れるようになって欲しいものです、、、。(1999年新年詠)