落蝉の落ちしばかりか足動く

あれだけ鳴いている蝉も落蝉として目にする数は少ない。採ろうとして採れることが少ないからか、見るとつい触ってみたくなる。しゃがんでよく見るとまだ足が動いている。触ってもそれ以上の動きは無い。一応横の草むらに移動させてやる、、、。(2016年秋詠)

その一つ覗けば暗し蝉の穴

庭の木の下の乾いた土にぽつぽつと穴がある。それが蝉が地中から出た時の穴だと気づいたのは俳句を始めてから。小さな穴で覗くと暗い。すぐに曲がっているようだがまだ掘り返して確かめたことは無い。覗いてみたのは眺めていても句にならなかった時、、、。(2015年夏詠)

蝉穴を出やすきやうに庭掃除

今日は大暑、、、。昨日庭の掃除をしていたら山椒の葉っぱにすがって脱皮している蝉がいました。しばらく経ってまた見に行くと、前と全く同じ状態のままなのです。どうもおかしいので触ってみると全く動かない。半分ほど脱皮した途中で息絶えていたようです。それでと言う訳ではないですが、蝉に負担がかからないように、今日はちょっと丁寧に庭掃除をしました、、、。(2015年夏詠)

血流の如し朝より遠き蝉

錯覚なのか本当にそうなのか、耳の奥で自分の血流の音が続いているように感じることがあります。ちょうどそんな感じで、同じくらいの周波数で、朝半分ほど目覚めた感覚の奥に、遠くで鳴く蝉の声が聞こえてきます。集団で鳴くにいにい蝉、いよいよ夏本番です、、、。(2015年夏詠)

上り切る蝉の高さの歩道橋

長い人生の中で日常的に歩道橋を渡る暮しはしたことが無かったのですが、今は岡山の句会へ行く度にやむを得ず歩道橋を渡ります。隣にある公園のポプラの、ちょうど蝉が鳴いている高さになります。歩道橋の中央で、下を走る車の群を見るのも面白いですが、これも長い間見ていると、ちょっと勘違いされそうな気がしますね、、、。(2014年秋詠)