見上げたる屋根に隙間が梅雨晴間

梅雨に入りましたね。掲句は昨年、古民家の農家に移転した某蕎麦屋さんでの句。早く着き過ぎて、開店待ちの場所が長屋門の屋根の下、ふと見上げると天井の無い屋根裏の、瓦の隙間から空が見える。その日も雨、いずれ直すのか、これを良しとするのか、、、。(2023年夏詠)

滑空の低さ競ふか夏つばめ

雨上がりの河川敷の公園、よくまああんな低い所をあの速さで、と感心する燕の飛翔。天気が悪いと餌となる虫が低い所を飛ぶのがその原因らしいが、それにしても低すぎる。ちょっと羽の角度を間違えると地上に激突、なんて事をつい考えてしまう、、、。(2023年夏詠)

紫陽花のその下抜ける猫の道

生垣のようになった紫陽花の下から、ひょっこりと見覚えのある猫の顔。紫陽花があるのは近所の〇〇さんの家、猫はその近所の数軒離れた△△さんの家の猫。こんな所に抜け道があったのか、、、。(2023年夏詠)

しつかりと壁を捉へて蔦茂る

ちょっと風情の無い話になりますが、普通の民家の壁に蔦を這わせると壁がダメになってしまいます。楽しんでいるうちは良いのですが、飽きてしまって剥がそうとすると壁も一緒に、なんて事になってしまいます。掲句は他所の蔦、私は十分に楽しみましたが、、、。(2023年夏詠)