病院の面会禁止花曇

知り合いが入院したと聞いたので見舞いに行こうかと思ったが、ちまたの話でコロナ禍以来どこの病院でも面会禁止や見舞いの品に制限があると聞いたので、念のため病院のHPを確認したら案の定見舞客は完全にシャットアウトだった。まあ私が覗いたところで良くなるものでもないか、と思いながら過ごしていた頃の句、、、。(2024年春詠)

白木蓮とそば屋ふみきり鳴り続く

踏切の向こう左側に蕎麦屋の看板、手前右手のお屋敷に手入れの行き届いた白木蓮の大きな木。単線の一両だけだから通る期間は短いがそれまでが結構長い。白木蓮の咲くこの時期だけはその時間が楽しみとなる、、、。(2024年春詠)

山見つつ父と黄砂の話など

黄砂の季節になりましたね。古い古いまだ父の生きていた頃の事です。久しぶりに帰った実家で父と山を見ながら話した事がありました。とりわけひどいその日の黄砂で、近くの山まで黄色に見えていました。黄砂のニュースにふとその時の事を思い出して詠んだ句です、、、。(2024年春詠)

春昼の机上の熟れてゆくバナナ

青いぐらいのバナナが良いか熟れたバナナが良いかと言われると熟れたほうと言います。もちろん適度にですよ。適度にスイートスポットが出来たバナナ、冷蔵庫の中で真っ黒になったバナナは嫌いです、、、。(2024年春詠)

送電線霞の山に紛れけり

霞とも黄砂とも思えるような山の霞みぐあい。送電線は北の山から下りてきて平地を走り南に山へ上っていく。南の山は近いから頂上の鉄塔まで見えるが、遠い北の山のほうは鉄塔も送電線も途中から霞の中、、、。(2024年春詠)

梅二本あれば梅園匂ひけり

梅園の看板があるので車を止めてみたが近くに見える梅の木は二本だけ、それでも梅の馥郁たる香りが満ちているから少し入ればもっと多くの梅の木があるのかも知れない、と思っただけでまた車を走らせた、、、。(2024年春詠)