水涼し手先浸せば魚寄り来

実家の前の谷川には鮠やその子の小魚が泳いでいます。比較的大きい魚は人影を見ると岩の間に隠れてしまいますが、メダカほどの小さな魚になると人間お構いなしです。流れに手を浸すと寄って来ます。何もないと分かればまた散っていきますが、、、。(2023年夏詠)

玉葱の吊るされてゆくカーポート

ふと気づいた近所のお宅のカーポートの景色。例年だと高い位置に横に渡した物干し竿に、収穫したばかりの新玉葱が吊るされていく頃ではなかったか?と思って、他の友人に聞いてみたら、「どこのお宅も今年は玉葱が全くダメだったらしいよ」との事。で、仕方ないので、書き遅れた昨年のこの句を、、、。(2023年夏詠)

紫陽花や道幅狭き城下町

新しい広い道路を通れば良いのに、時々古い狭い道を走りたくなる。スピードを落として、左に寄って、電信柱の前で止まってすれ違う。左を見ると紫陽花、狭い場所にきれいに咲いている。あじさい寺の沢山の紫陽花も良いけれど、古い街中で見る紫陽花もまた格別、、、。(2023年夏詠)

通ひ猫来て待つ梅雨の勝手口

鳴く事をしない野良猫の雄、こちらが気づくまでひたすら待っている。気づくとうれしそうに寄って来るが触らせてはくれない。しょっちゅう大怪我をしていて、しばらく来ないとつい、もう死んだのかも知れないと思ってしまう。今回ももう二週間あまりになる。どこかで怪我を癒しているのなら良いけれど、、、。(2023年夏詠)