衆楽園を散策していると隣の高校のグランドから大きな声が聞こえて来る。普段ならいろいろな部活の声が混じって聞こえるが休日だからだろう、聞こえて来るのは野球部のあの独特な掛け声だけ。ちょっと間延びした感じの声が晴れた秋天に良く合う。すっくと立った松の大木に新松子、、、。(2017年秋詠)
カテゴリー: 2017
足早に路地抜くる人秋時雨
こんな事もあろうかと傘を持って出た吟行、さっさと自分の傘を開いて人を観察、、、。(2017年秋詠)
秋にほふ天上低き麹室
倉敷市児島の野崎邸吟行、見事に手入れされた屋敷と庭園、さすがは塩田王とただただ感心するばかり。屋敷裏手の崖の自然を利用した麹室、もちろん今は使用されておらず、一つの展示として当時を偲ぶだけですが、何だかいまだに昔の麹の匂が残っているような気がして、、、。(2017年秋詠)
遠き田に煙ひとすじ律の風
「律の風」こんな言葉があるんだと知った昨年の句、、、。(2017年秋詠)
門川の水の干されて草紅葉
門川と言っても農業用水、田圃に水が不要になれば干されてしまう。あれば便利に使えるが、農家ではないのでなければないで仕方がない、、、。(2017年秋詠)
深秋の心解いて行く日差
何だか急に秋が進んで、、、。(2017年秋詠)
風にある稲刈る匂ひ音もして
早稲、中生と進んで今は晩稲か、まだ風の中に稲の匂がある。遠くになったがコンバインの音も聞こえる、、、。(2017年秋詠)
店奥にこちら見る顔秋深し
某商店街吟行での句。平日の午前中ともなれば客の少ないのは致し方ないのだろう。店の灯りも少なめ、その奥のほうからこちらを見ているご主人らしき顔と目が合った。見れば客ではないのは分かるだろうが、多少は期待しているらしい心がその表情に見て取れた、、、。(2017年秋詠)
夕日背に夕日に勝る烏瓜
烏瓜は実が熟れて来ると俄然として存在感を増してくる。河原の茂みに中に夕日を背に真っ赤に売れた烏瓜の色は夕日の色にも負けてはいない、、、。(2017年秋詠)
もみづるや千手観音ゑみ深し
先日の台風後にちょっと北のほうへ走ってみました。車の少ない渓谷沿いの道は台風の残した落葉や枝で走りにくいぐらいでした。山は紅葉にはまだ早い感じでしたが、わずかに色づき始めた木々にカメラを向ける方も何人か、、、。(2017年秋詠)