雪の夜の億万浄土みな静か

古い句です。他の記事を用意していたのですが、大雪が降りましたので差し替えです、、、。適度に雪の降るこの地ならではの感慨かも知れません。雪深い地方に住まわれている方々にすれば、早く過ぎて欲しいだけの季節かも知れませんね、、、。(2001年冬詠)

枕辺に閉づる句集や除夜の鐘

初心の頃の大晦日の句です。今では読みかけの句集が何冊も積んだままで大晦日を迎えています。上には多少埃も、、、。今年も一年ご愛読ありがとうございました。四苦八苦しながら続けていますが、続けていけるのも皆様の励ましのおかげです。来年もよろしくお願いします。それでは皆様良いお年を、、、。(1999年冬詠)

 

寒風にうどん屋の出汁にほひけり

寒風の中で幟の「うどん」の字が千切れそうに揺れていた。その風に乗って「蕎麦もいいけどうどんもなあ」と思わせるような出汁の良い匂いがしてきた。ここは主人の腕の見せ所、「そば屋なんぞに負けてたまるか」と思ったかどうか、とにかく食欲をそそられる匂ではあった。明日はうどん屋の負けは明白、、、。(2013年冬詠)

枯葦のしなふが楽し群雀

年末だから軽く流しています。と言うか、なんだかんだ言っても忙しいからでしょうか、年末の句は少ないのです、、、。雀っていいなあ、いつも楽しそうで、と、競うように枯葦にゆれている雀を見た時の句です、、、。(2009年冬詠)

五日目となる箱住い冬の雨

四国で二ヶ月間を過ごしたのは三年前、掲句は五日目だから十二月五日、ビジネスホテルの狭い部屋へ帰ったときの句です。早いものですね、職場の解散パーティーからもう三年が経ってしまいました。先日「久しぶりに元のメンバーで・・・」と声をかけていただいて、忘年会に行ってきました。何はともあれ、皆さん元気で逞しく、久しぶりに全員の顔が揃って、こんなうれしい事はありませんでした。一年後、二年後、また同じ元気な顔が見たいものです、、、。(2011年冬詠)

極月の禰宜の拍手遠くまで

たぶんあの音が出るまでには何万回もの練習があったのだろうと思わせる拍手の音が遠くまで響いて来た。ことさら強く聞こえたのは、たぶん数日後に控えた新年への決意と言うか、初詣の人出に対する覚悟と言うか、そういうものが入り混じっているからだろう。どうやったらああいう音が出るのだろう?普段拍手を打つなんて事のない私なんか、たまたま賽銭をあげて拍手を打とうものなら、いつもスカスカの音ばかりです。投資が足りないのかなあ、、、。(2011年冬詠)

煌としてLEDの冬灯

メリークリスマス!今年の話題は何と言ってもLEDでしたね。クリスマスのイルミネーションは別としてLED電球はもうお使いですか?掲句は、やっと値段も下がってきたので試しに買って、我家で使い始めた昨年の句です。灯る時の立ち上がり、消える時の残光、それと慣れるまでは何となく光の煌き感が気になりました。同じ電球色でもちょっと硬い感じといえばよいでしょうか。まあ慣れてしまってどうって事はありません。もう慣れました、、、。(2013年冬詠)