朝露に背中ぬらして猫帰る

朝からどこへ行ったのかと思っていると戸の外で声がする。「ハイハイお帰り」と戸を開けてやる。この時期の早朝は朝露が多い。その中を通って帰るものだから背中はべっとり。入ると当たり前のように拭いてくれるのを待っている。用意していたタオルで二三回拭いてやると満足して餌を食べに行く、、、。(2024年秋詠)

人参の芽にやはらかき朝の露

本気で農業をされているお宅の田圃は、稲の収穫が済むとたちまち畑へと変身し、次の作物が植えられる。大根であったり人参であったり、その年によって異なるが、十月も終わりごろになるともう次の作物が育ち始める。人参は大根などとは一味違った、いかにも人参といった元気な緑色をしているのですぐ分かる。(2000年秋詠)