ががんぼの繋がつて飛ぶ日暮かな

大蚊と書くぐらいだから蚊の仲間なのでしょう。かといって人を刺す訳ではなく、触ればすぐに足が取れてしまう、いたって貧弱な、存在すらあやふやなような虫。そんなががんぼが、暮れ残る明るさの中を繋がって漂っていた(飛んでいたと言うより漂っていた)、、、。(2000年夏詠)

ががんぼを抓んで放つ夜の闇

夜の静けさの中で机に向かっていると羽音がする。見ると大蚊が蛍光灯にぶつかりぶつかりしている。逃がそうとすれば必ず足の一本や二本は取れ翅は痛んでしまうので、果たして助けることになるのかどうか、と思いつつ抓んで窓を開けると、そこには夜の闇があるのだった。(2012年夏詠)