自転車の追ひかけらるる夕立かな

せっかく散歩に出てきたのに、見上げると真っ黒な夕立雲、早々に切り上げて帰路についた。我家が見える所まで帰り一安心した時に、向こうからやってくる自転車の白シャツの高校生の男の子が眼に入った。見る見る近づいたその子は、自分が夕立雲に追いかけていることを知っているのか、汗をかきながら懸命に自転車を漕いでいた。そういえば自転車で通学していた昔にはあったなあ、もう少しのところで降られて、、、、と思っているとポツポツしてきた、、、。(2014年夏詠)

広重の雨脚見ゆる夕立かな

安藤広重の浮世絵「東海道五十三次之内 庄野」は、庄野宿(現在の鈴鹿市庄野町)付近の夕立の絵です。雨の中を急ぐ人物が活写されていますが、雨もまた見事です。広重の東海道五十三次は、永谷園のお茶漬け海苔で覚えました。五袋ぐらい入りのお茶漬け海苔におまけで付いていた名刺より少し大きいぐらいのあれです。何度挑戦しても、半分も集まりませんでした。(2009年夏詠)