山道を走っていて見かけた山の中腹にある民家。たぶん柚子でしょう、家の側にある実の生った樹が朝日を浴びて黄金色に、、、。(2021年秋詠)
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採る柚子の己が刺にて匂ひ立つ
柚子は歳時記では秋の季語ですが、今日は冬至なのでこの句を。昨年実家に帰った時に思い立って柚子を採りました。何十年ぶりだったでしょうか、採り方が下手なもので途中で他の枝の鋭い刺がブスリ、そのせいで手にした時にはあの新鮮な良い匂いが、、、。(2020年冬詠)
剥落の土蔵に夕日柚子熟るる
実家の土蔵は、私が生れた年に建てたと聞かされているから、築六十三年になる。父が元気な頃に一度大きな修理をしたが、それ以後手を入れないものだから、掲句のような状態になってきた。今更直してもとも思うし、修理に立ち会うには少し遠すぎる。その土蔵の裏側に柚子の木がある。いつだったか各自治体に一億円が配られたときに、その使途としてわが古里では各家に柚子の木を植えたと聞かされた。その柚子の木が大きくなり、秋にはたわわに実をつける。実もつけるが、木も大きくなり、土蔵に当たるようになってきた。これもまた悩みの種、、、。(2013年秋詠)