立春の卵産んだと鶏の声

養鶏場は別として、鶏を飼う家は少なくなってしまった。掲句の鶏ぐらいのものだろう、この近くで飼われているのは。少し遅めに朝の散歩に出ると、ちょうど卵を産む時間ぐらいになるのだろう、田圃の向う側の農家の辺りから、得意そうな大きな声が聞こえてくる、、、。さて、立春には卵が立つという話はホントかウソか、実際に試した事がありますか、、、?(2014年春詠)

初景色コトコト朝の一両車

我家のそばを通る姫新線は、通勤通学の時間帯は二両編成、他の時間帯はほとんど一両だけです。掲句はちょっと遅めに散歩に出た昨年の元日の朝、例によってコトコトと一両だけのディーゼル車が過ぎて行きました。いつもよりのんびり走っているように見えたのは単にこちらの心の持ちようなのでしょうね。この景色を見るようになってもう三十年、時は流れるものです、、、。(2014年新年詠)

初夢や水湧くやうに句の生れ

こういう夢を見たかった、、、。そう言えば若い頃と比べると、夢を見ること自体が減ったような気がするのですが、皆様はいかがでしょうか。夢は見るけれど記憶していないだけかも知れませんね。どちらにしろ眼が覚めるのだけはやけに早くて、困ったものですね、、、。(2014年新年詠)

電線に黙の鳥たち大旦

明けましておめでとうございます。ありきたりですが本年もよろしくお願いいたします。大旦(おおあした)は元日の朝のこと、いかにも年の初めらしい良い言葉ですね。ですが、人間を除けば、まあどうでも良いことで、何とか年の初めの一句をと見上げた夜明けの電線に、鳥たちは静かに並んでいました。まてよ、普段は賑やかだが、とつらつら考えた末に思いついたのは、もしかしたら除夜の鐘や年越しの花火の音で、鳥たちも寝不足なのではなかろうかという結論ですが、当たっているかどうかは鳥に聞かないとわかりません、、、。(2014年新年詠)