冬鳶じろり見おろし過ぎにけり

俳句を始めてから鳥を観察する機会が増えましたが、その中で気付いたのが、鳥は人間が鳥を観察する以上に人間を観察しているということです。木の上、電線、屋根、ずいぶん離れていてもこちらが見れば確かに視線に反応するのです。まして鳶は高い上空から小動物に狙いを定めるぐらいの視力の持ち主です。上空から獲物を探していたが、冬の枯野には目ぼしい獲物が見当たらない。「やれやれ、何ていう日だ」と思っているうちに犬を連れた人間が歩いてきた。「どれどれ暇つぶしにどんなヤツか見てやろう」ぐらいのつもりで下りてきたのだろう。上を向いた途端にその鳶の鋭い見下した目と目が合った、、、。(2010年冬詠)