川に住む鯉の田植時の短期間の繁殖行動なのですが、説明するのはなかなか難しい光景です。この行動が数日続いた後、上流の浅瀬に移動して早朝に一斉に産卵をします。迫力があります、、、。(2018年夏詠)
月: 2019年5月
田蛙の声止みしとき真の闇
水が入ったのが四日前、次の日の夕方に代掻き、一日置いて昨日の夕方に田植が終わった近所の田圃。今朝散歩の途中で見ると、まだ濁った水の中に粒々の入ったゼリー状の大きなかたまりが二か所も。蛙の卵です。驚きです。そもそも水が入ると待ってましたとどこからか出て来る蛙が不思議なのですが、田植が終わって一晩たった田圃にもう卵があるなんて、、、。(2018年夏)
草むしる祢宜の腰には蚊遣香
境内の隅に草をむしる祢宜が一人。寸暇を惜しんでか、涼しげな色の夏装束のまま、長靴、腰には携帯用の蚊取線香、、、。(2018年夏詠)
フランス語混じり香水闊歩する
掲句は昨年。先日美観地区を歩いて来ましたが、インバウンド効果と言うのですか、ますます外国の方が増えているように感じました。もちろん、会話の中身は分かりませんが、フランス語の方も、、、。(2018年夏詠)
行く宛のありしか蟻の足速し
集団で列を作って移動している時はそうでもないが、一匹で行動している蟻の動きは結構速い。真っ黒の少し大きめの蟻、忙しそう、、、。(2018年夏詠)
早乙女の完全防備顔見せず
いよいよ田植シーズンが始まりました。早乙女は老いも若きも完全防備です。挨拶されてもどこの誰やらわかりません。背格好から想像しながら、失礼のないように返すようにはしています、、、。(2018年夏詠)
青嵐葉裏ばかりを見する山
先日は二三日ひどい風が吹きました。台風並みの風が何日も続くのだからたまったものじゃあないです。掲句は昨年、余裕をもって山を眺められる程度の、やさしい青嵐、、、。(2018年夏詠)
尻尾だけ見ゆる大物青大将
とうとうやって来ました、蛇の季節。出来れば出会わぬ事を、出来れば我が家には現れぬ事を願うばかりです、、、。(2018年夏詠)
ほととぎす程よき距離に向山
数は減ったけど今年もまた聞けるかな。現役で働いていた頃は、さあ出勤と玄関を出ると聞こえて来る声が楽しみでした。夏を告げる声、ちょっと耳をすませば聞こえる距離が、ホトトギスにはちょうど良い、、、。(2018年夏詠)
色とりどり牡丹の数の傘さして
季節は牡丹から芍薬に移りましたが、そう言えば今年は見なかったなあ。杭に開いた傘が括りつけてあって、その下に見事な牡丹の花。その数が年ごとに増えて、去年は傘も色とりどりに、、、。(2018年夏詠)