深曇る空より垂れて棕櫚の花

昔は田舎ならどこにでもあったと思う。それは棕櫚縄であったり、葉っぱを使った蠅たたきだったりの需要があったからだろう。私の実家の前にも一本植えられていて毎年毎年伸びて行ったが、高くなり過ぎたのか、百姓を止めたからか、気づいた時には切られていた。掲句は車で走っていて見かけた棕櫚の木、傍にある廃屋の屋根よりも高く、花房の黄色が際立って見えていた、、、。(2018年夏詠)

牛蛙グウと一声沈みけり

ブォーッ、ブォーッ、と低い声で鳴く牛蛙、声も大きいが図体もでかい。もともと食用として輸入されたものらしいから、今更嫌われても牛蛙に責任はない。何度か頂いた(と言うか食べさせられた)事があるが、味は白身の鶏に似た味で美味しい。かと言って、自分で捕まえて食べようとは思えないのが牛蛙。掲句、県北の名園衆楽園での句。池の縁で眠っていたり鳴いていたり、多くの牛蛙が見られる、、、。(2018年夏詠)