国内産のバナナが話題になったのは一昨年ぐらいだったろうか。我々庶民の手の届くような値段ではなかった記憶がある。掲句はスーパーに売っている安物のバナナ。とは言え、安物安物と馬鹿にする事なかれ、最近は種類も豊富で味も一昔前とはずいぶん変化している。個人的な好みから言えば、青い物より完熟して皮が黒くなったぐらいのほうが美味しく感じる、、、。(2018年夏詠)
月: 2019年5月
青梅の青より零れ昨夜の雨
季節は早い。もう青梅の季節になって来た。葉も若葉の緑色、育ち始めた実もまた同じ緑色、その実から光りながら昨夜の雨の雫が、、、。(2018年夏詠)
雲置いて中国山地若葉寒
一昨日、昨日とまた寒い朝、少しだけ暖房のスイッチを入れてしまいました。何て寒さなんだと思いながら去年の句帳を見ると掲句、5月10日の日付がありました、、、。(2018年夏詠)
厨より蕗煮る匂雨しとど
蕗は大好きな食べ物です。特に真っ黒になるほど煮しめた伽羅蕗が好みですが、どうも最近我が家は薄味が多くて、、、。(2018年夏詠)
夏来る光も影も緑して
春から夏への変化の早さには毎年驚かされる。桜並木もすっかり緑になって、木洩日も路面に映るその影までも緑に見える、、、。(2018年夏詠)
初夏や怒涛の如く句の湧きて
なんて事があれば良いのですが、、、。(2018年夏詠)
行く春や幟たどればぼたん寺
「ぼたん寺」と称して多くの観光客を集めている寺が近くにあります。ちょうどこの時季が花期、道沿いには「ぼたん祭り」の幟が立ちます。行くなら早め(花期の早め、一日の早め)がおすすめです。と言いながら今年も行けていない私です。明日はもう立夏、、、。(2018年春詠)
池の春ゆるりゆるりと鯉の道
空には鯉幟、池には錦鯉、五月です。どうやら池の鯉もやにくもに泳いでいるのではないらしい。水底の起伏であったり、水草の生え具合であったり、餌の落ちて来る場所であったり、時間であったり、そんな事で自然とコースが出来るのだろう。五月の池の鯉は空の鯉幟を上目遣いに眺めながらゆったりと泳いでいる、、、。(2018年春詠)
八十八夜土手のすかんぽ真つ盛り
しまった!一日遅れ、昨日が八十八夜でした、、、。(2018年春詠)
城址てふつつじ群れ咲くひと所
川越しに見える山の頂、この時季になると躑躅で赤く染まって見える。以前気になって調べたら、どうやら中世の山城の址らしい。どなたか心ある方が整備されたものらしく、一時期は鯉幟まで上がっていた。一度梺までは行ってみたが、聞くと車で登れるような所ではないらしく諦めた。その後鯉幟は数年で上がらなくなったが、躑躅は整備されているのか植えっぱなしなのか分からないが、いまだに一面を染め上げている、、、。(2018年春詠)