この頃のバナナ美味しき朝の卓

国内産のバナナが話題になったのは一昨年ぐらいだったろうか。我々庶民の手の届くような値段ではなかった記憶がある。掲句はスーパーに売っている安物のバナナ。とは言え、安物安物と馬鹿にする事なかれ、最近は種類も豊富で味も一昔前とはずいぶん変化している。個人的な好みから言えば、青い物より完熟して皮が黒くなったぐらいのほうが美味しく感じる、、、。(2018年夏詠)

行く春や幟たどればぼたん寺

「ぼたん寺」と称して多くの観光客を集めている寺が近くにあります。ちょうどこの時季が花期、道沿いには「ぼたん祭り」の幟が立ちます。行くなら早め(花期の早め、一日の早め)がおすすめです。と言いながら今年も行けていない私です。明日はもう立夏、、、。(2018年春詠)

池の春ゆるりゆるりと鯉の道

空には鯉幟、池には錦鯉、五月です。どうやら池の鯉もやにくもに泳いでいるのではないらしい。水底の起伏であったり、水草の生え具合であったり、餌の落ちて来る場所であったり、時間であったり、そんな事で自然とコースが出来るのだろう。五月の池の鯉は空の鯉幟を上目遣いに眺めながらゆったりと泳いでいる、、、。(2018年春詠)

城址てふつつじ群れ咲くひと所

川越しに見える山の頂、この時季になると躑躅で赤く染まって見える。以前気になって調べたら、どうやら中世の山城の址らしい。どなたか心ある方が整備されたものらしく、一時期は鯉幟まで上がっていた。一度梺までは行ってみたが、聞くと車で登れるような所ではないらしく諦めた。その後鯉幟は数年で上がらなくなったが、躑躅は整備されているのか植えっぱなしなのか分からないが、いまだに一面を染め上げている、、、。(2018年春詠)