大根も白菜も、次第に抜かれて畑に土の部分が増えて行く、、、。(2016年冬詠)
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竹垣をこぼれ山茶花まつ盛り
昔、この地に引っ越してきた頃、近くに小さな造り酒屋がありました。高い煙突があって、表の広い入口を入ると染み付いたお酒の匂いがして、声をかけると奥から上品なお婆さんが出てこられる酒屋さんでした。ほどなく造るのを止められ、しばらく売店だけをされていましたがそれも止められ、古い建物を一掃して竹垣のあるしゃれたお屋敷が出来上がりました。思い起こせばその新しい家になったのも、もう十年以上前になるのです。奥へ奥へと路地に沿うその竹垣が少し崩れて間から内側の山茶花が零れ、、、。(2016年冬詠)
裸木となりゆく一樹より一葉
見ている間に残り少ない木の葉の一枚が、、、。(2016年冬詠)
杣道や風倒木に冬朝日
山の中のお寺、駐車場脇に地図があって、国道に出る来た道とは違う道が書いてある。ちょっと冒険心が働いて走ってみたら行けども行けども山の中、何年も前に台風ででも倒れたものだろう、半ば苔むした大木に朝日が当たっている。大丈夫かなあ、引き返すにも車を回せるところが無いし。と、不安なままずるずる走っていると突然山が開けて一時停止の標識、やれやれ今回も無事だった、、、。(2016年冬詠)
石地蔵ある度曲がる冬の道
何か目新しいものに出会えるかも知れないと、こんな歩き方をしてみた早島吟行での句、、、。(2016年冬詠)
残る葉の冬の夕日の色ほどに
いよいよ師走です。庭の木々もほぼ落葉を終わり、山法師に数枚が残っているだけとなりました。夕日の中で真っ赤に見えます、、、。(2016年冬詠)
山陰は雪降るころかゲゲゲの忌
11月30日は漫画家「水木しげる」の忌日、ゲゲゲの鬼太郎に因んで「ゲゲゲ忌」と言うそうです。よく読みました。良いのか悪いのか、とにかく妖怪を身近にしてくれた作者ですね、、、。(2016年冬詠)
レジ袋先より冬芽のぞかせて
某ホームセンターにて。何かなあ?レジ袋の先から大きめの芽、果樹にしては丈が低いし、なんて思いながらすれ違いました。そろそろ我が家の果樹も剪定の季節、、、。(2016年冬詠)
木枯や寺の風鐸鳴りどほし
風の強い日、周囲が田圃のお寺だからまともに風を受けるようで、本堂の屋根に下がった風鐸が音を立てて揺れていました。田圃一枚隔てた道も、これも吹きっさらし、寒かった、、、。(2016年冬詠)
鯛焼屋消えて貼紙一枚に
かつて県境の峠に美味しいと評判の鯛焼屋がありました。先日も書いた峠です。通行量が減った峠、ドライブインも無くなれば鯛焼屋も無くなります。こちらは貼紙に移転先が、、、。(2016年冬詠)