夏の間は墓も青々と茂った葉の奥で全く見えないが、この時期になり衰えて葉が落ちかけると次第にその姿を現すようになる。と同時にその墓に眼が行くように、その前に生えて大きく育った南天の熟れた赤い実が次第に目立つようになる、、、。(2022年冬詠)
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生垣の中より雀実南天
実南天の赤がきれいです。いつもヒヨドリに狙われて、正月の頃にはボロボロになってしまいます。正月にはまだ間がありますが、今のところ大丈夫。その点雀には南天の実は大きすぎるようで、安心です、、、。(2019年冬詠)
いかめしき墓地の錠前実南天
倉敷美観地区、観龍寺から阿智神社へ抜ける道沿いの墓地。きっと名のある家の墓地ばかりなのでしょう、塀に囲まれて門扉には鍵がかかった大きな立派な墓地が続いています、、、。(2018年冬詠)
捨墓の後暮れ行く実南天
掲句はちょっと寂しい実南天、、、。(2018年冬詠)
実南天廃屋裏の勝手口
廃屋となっている大きなお屋敷、路地を入ると道路沿いに塀が続き、奥まった所にこじんまりと門がある。と思いきや、「○○勝手口」と書かれた木札がかかっている。とすれば大きな勝手口。勝手口と建物との間には育ちすぎた南天がたわわに実をつけている。もうここから入るのは困難だろう。木枠の窓ガラスが見える。映る景色の屈折した光は明らかに古硝子だ。いったいどんな方のお屋敷だったのだろうといつも思う、、、。(2017年冬詠)
夕日中葉までも紅き実南天
単にそういう種類の南天なのかも知れません。いや、もしかしたら霜焼けの手のように、寒さで葉っぱまで紅くなったのかも知れない、なんて思った寒い夕暮れの中での句です、、、。(2017年冬詠)
牛小屋の跡の更地や実南天
南天の句をもう一句。木山神社に初詣に行くようになっておよそ25年ほどになります。行き始めた頃には参道脇のお家に注連飾りをした牛小屋があって、奥の暗がりに暗がりと同じような色の和牛が鳴いていました。その牛がいつしかいなくなり、注連飾りと牛の匂いだけの牛小屋を見て帰る年が何年も続きました。それが昨年、その牛小屋が跡形もなく無くなっていたのです。それも更地になって間がない土の色でした、、、。今年は、土の色が周囲と同化して、私のように牛小屋の匂いを楽しみにしていた人間でなければ、そこに牛小屋があったなんて分からなくなっていました。傍らの南天は今年も元気そのもの、葉も実も、、、。(2017年冬詠)
道の駅トイレ満員実南天
句会からの帰り、トイレ休憩に寄った道の駅、観光バスが数台止まり、トイレの外まで列が出来ていた。賑やか、、、。(2013年冬詠)