剥落の土蔵に夕日柚子熟るる

実家の土蔵は、私が生れた年に建てたと聞かされているから、築六十三年になる。父が元気な頃に一度大きな修理をしたが、それ以後手を入れないものだから、掲句のような状態になってきた。今更直してもとも思うし、修理に立ち会うには少し遠すぎる。その土蔵の裏側に柚子の木がある。いつだったか各自治体に一億円が配られたときに、その使途としてわが古里では各家に柚子の木を植えたと聞かされた。その柚子の木が大きくなり、秋にはたわわに実をつける。実もつけるが、木も大きくなり、土蔵に当たるようになってきた。これもまた悩みの種、、、。(2013年秋詠)