花筏分けて二羽行く用水路

桜並木の側を 広めの 用水路が流れています。落花の季節にはその広めの水面が花びらで埋め尽くされるようにして流れていきます。たまたまその中に下りていた二羽の鴨、その花びらの中を流れに逆らって、、、。(2019年春詠)

花筏速し意志あるもののごと

昨日はやっと空が晴れて絶好の花見日和となりました。と思ったらもう雨で水量の増えた用水にひっきり無しの花筏が、、、。掲句は昨年の西川緑道公園での句。西川は水量も豊かで、流れも速い。ひっきりなしに流れてくる花筏を眺めているとついつい時間を忘れ、俳句を詠むのも忘れ、慌てて句会場へ急ぐことになるのです、、、。(2015年春詠)

花筏いづれ大海焦るなよ

遭難して無人島に流れ着いた人が空ビンに手紙を入れて海に流す。やがてそれが海を渡り人の目に付き無人島に救助の船が来る。なんて言うような物語が昔の雑誌にはよく載っていました。少年は同じように空き瓶で手紙を流すと誰かに届くかも知れないと何度もビンを流しましたが、あのビンはどこへ行ったのでしょう?大海へ出たまま、いまだに漂っているのかも知れませんが、海がよごれる原因になりますので、良い子はまねをしないでください、、、。(2014年春詠)

橋いくつくぐれば海や花筏

川があれば花びらが流れてくる。離れ離れだったり繋がったりと、形態は様ざまだが、花筏とはよく言ったものだと思う。掲句、岡山の西川緑道公園での句。西川緑道公園には橋が多い。流れも豊かだ。花筏も勢いよく流れていく、、、。(2013年春詠)