甕にある空へ一つの落椿

庭にある雨水受けの甕、いつだったかひどい寒波の年に凍り罅が入ってしまった。ボンドで接着して太い針金でしばり、多少の水漏れはあるが雨水受けに用をなしている。水漏れ部分に苔が生えたりして、かえって趣のある瓶になったとも言える。その甕の中の空へ落椿、、、。(2024年春詠)

落椿拾うておれば椿落つ

「後転が出来るか?」と言うので、「後転ぐらいどうってことないだろう」とやってみたら、「あれっ?」出来ない。もう一度、「あれっ?」。勢いが足りないのかと、三度目に勢いをつけたら、グキッと首の下あたりを痛めてしまった。二三日もすれば治るでしょうが、知らない間に老化は来ているのだと痛感した次第です。皆さん、後転ぐらいと侮ってはいけませんぞ、、、。(1998年春詠)

冷たさのひとかたまりや落椿

落椿を手に取ると重さと共にその冷たさに驚く。倉敷安養寺吟行での句。山門をくぐったところに一本の椿があり、その下に数個のまとまった落椿があった。思わず触れてみた。余談になるが、安養寺近くの山で鴬が鳴いていた。実にきれいなホーホケキョだった。今住んでいる岡山県北のこのあたりの鴬はホーホケキョケキョと鳴くことが多い。<正調の鶯鳴けり安養寺>(2010年春詠)