いにしへを想ひしをれば蝶よぎる

備中国分寺の山門から少し下ったところに梅園がある。名所旧跡に限ったことではないが、今はこうだが昔はどうだったのだろうかと、古い時代を想像してみると楽しい。例えば備中国分寺であれば、その周囲の道の様子であるとか、民家の数であるとか、行き来する人の数とか。簡単に言えばよくある何々寺縁起というような絵巻物のような世界を、現在の風景を眺めながら想像してみる。満開の梅園でそんなことをしていたら、突然湧いたように目の前を蝶が過ぎて行った。おっとっと、俳句を詠まなければ句会に間に合わないぞ、と、、、。(2014年春詠)