実家の冷蔵庫、通常は人がいないので電源を切ってあって、ただの箱です。だからビールは家の前の谷川で冷やします。ほどよく冷えますよ、、、。(2023年夏詠)
表戸を閉ざし青蔦覆う家
車で通りがけに見るだけだからはっきりとは言えないが、たぶん空家、蔦に覆われている。家にとっては迷惑な蔦だろうが、外から眺めるぶんには濃い緑が目に優しく美しい、、、。(2023年夏詠)
万緑のカルスト台地峡深し
吉備高原のカルスト台地が削られ、その底を流れるのが高梁川だろう。その台地の上の方にあるのが満奇洞、削られた底にあるのが井倉洞と言える。満奇洞からの道は台地の端に来て一気に急坂となる。その坂を下りきると井倉洞の近くに出る。下から上った事は無いがたぶん私の小さな車では無理かも知れない、、、。(2023年夏詠)
白シャツの少年二人立ち漕ぎで
大きな声で話しながら自転車を立ち漕ぎで坂を上って行く高校生の少年二人連れ。若さがあふれている。我々にもああいう時代があったなあと、、、。(2023年夏詠)
菜園の傘さしてあるトマトかな
一本だけのトマトに透明なビニール傘がさしてある。ささやかな菜園。もう少し数が増えると柱が立ってビニールの屋根になる、、、。(2023年夏詠)
山里の田水に映る栗の花
田植が終わると栗の花の季節となる。まだ苗の小さい澄んだ水田の水に栗の花が映っている。田のそばに立っている栗の木も水に映っている栗の木も、全体が白い花に覆われて見える。きれいだ、、、。(2023年夏詠)
夏草や列車軋みて駅に入る
駅から直線距離で1.5kmぐらいだろうか、上り列車はちょうど我が家の辺りからブレーキをかけ始める。徐々に速度を落として、最後にギギッという感じで無人駅に止まる。単線の一両車。夏草の中、、、。(2023年夏詠)
手の届きさうなる塀の上の枇杷
プールへの道、交差点で止まる度に見える傍のお宅の枇杷。袋掛けはされていないがそこそこ大きい実が塀の上にはみ出している。そろそろ食べ頃か、、、。(2023年夏詠)
ガラス越し守宮の影に指五つ
灯りに来る虫を求めて、ガラス戸の向うにヤモリが来ている。大きい!しっかりと張り付いた足の指は五本、初めて観察したような気がする、、、。(2023年夏詠)
古衣を横に日を浴ぶ青大将
おっと危ない!河原で見つけた蛇の皮に近づこうとすると、すぐそばに大きな青大将が長々と横たわって日を浴びている。とすればこの皮の主はこの青大将、皮を脱いだばかりか動こうともしない。蛇にとって皮一枚を脱ぐのは、きっと大仕事なのでしょうね、、、。(2023年夏詠)