幼子の泣いて母追ふ土手の春

どちらかと言うと年寄は多いけど子供はいないところです。たぶん近くのお家へ帰省してきたお母さんとその子供でしょう。前を行くお母さんも余裕綽々、泣いている子もなんとなく甘え声、春の午後ならではでしょうか、、、。(2016年春詠)

鳥よりも巣箱の多し山笑ふ

早島公園の頂の広場には周囲に植えられた木々に巣箱がたくさんかかっています。ですが、夜になると戻ってくるのか、昼間はほとんど鳥の姿を見ることがありません。低い位置にも巣箱があるので、中を覗いて見たい誘惑もありますが、良い大人ですからそんなことはしません、、、。(2016年春詠)

春場所も外吹く風も荒れにけり

今年の春場所は明後日(3月12日)が初日です。相撲は好きで毎場所楽しみにしています。が、こんな句を残していながら何が荒れたのかサッパリ覚えていません。初場所で優勝した琴奨菊の成績が悪かったのは確かですね。そんなことが無いように、稀勢の里には頑張ってほしいと思いますが、横綱昇進後の行事の連続を見るとう~ん、、、。(2016年春詠)

繕はれ土塀の土の春もやう

早島に行くと「不老の道」と言うウォーキングコースがあります。いくつもコースがあって、道しるべが整備されて距離も書かれています。初めてでも迷わないような良い設定がしてあります。その中の早島公園あたりでの句です。古い家が多く、本格的な土塀が見られます。以前は崩れかけていたその土塀が直されて、それも元の塀とは色が違って複雑な模様になっていた昨年の春の句です。安易に春模様としてしまいました。反省、、、。(2016年春詠)

アンテナは同じ方向き春の風

屋根の上に見える昔ながらのアンテナは八木アンテナと言います。今はケーブルテレビの普及や、壁型のアンテナが出来て、昔ほどは見られなくなりましたが、それでも古い街を歩くとまだまだ残っています。必ず同じ方向を向いていて、その方向を見ると山があり、テレビ塔があるのです、、、。(2016年春詠)

奔放に育ち空家の梅の花

今日は啓蟄、待ちきれない虫はもう出ていますね。昨日はナメクジを見つけてしまいました、、、。掲句、通りがかりに見た空家らしき家の、塀の中の奔放に伸びた梅の花。桜切る馬鹿梅切らぬ馬鹿なんて言われますが、なかなかどうして、伸び放題の梅も元気があってよろしい、、、。(2016年春詠)