三月も今日まで。炬燵との別れも近づいて来た。掲句は昨年、久しぶりに訪ねた友人宅の春炬燵。挨拶が早かったか、足を入れるほうが早かったか、、、。(2016年春詠)
カテゴリー: 2016
ぼうとして立つ川端や柳の芽
遠くから見ると冬の間は枯色だった木がなんだか緑色がかって見える。それもはっきりした緑ではなく、ぼんやりと緑色に。視力の衰えかと何度か瞬いてみるが、いっこうにはっきりとはして来ない。まるで自分の頭の中のようだと、春の日差しの中で思ったときの句、、、。(2016年春詠)
はくれんの白とも黄とも緑とも
白木蓮です。白と見れば白なんです。背景が白いと黄色に見えます。開き始めを見ると、白の中にほのかに緑が、、、。(2016年春詠)
堰越ゆる春水白き壁となり
近くにある堰です。吉井川の向こう岸まである大きな堰です。水量の多い時は水音がごうごうと遠くまで聞こえてきます。特に春先、雪解けの頃の堰は見ごたえがあります。見ていると引き込まれそうになります、、、。(2016年春詠)
花冷や屋根よりクレーンぬつと伸び
桜前線北上中です。とは言うものの、まだまだ寒い日がありますね。掲句は昨年ですが、先日の倉敷での句会の時に、アイビースクエアのメタセコイアの大木のそばにクレーンが伸びていました。メタセコイアよりも高く、見ごたえがありました、、、。(2016年春詠)
柏手に風の応へて春寒し
日付は昨年の3月24日、阿智神社での句。毎年彼岸を過ぎても寒い日はあるものです、、、。(2016年春詠)
春の色重ねて野菜スープ清む
春の色ってどんな色だろうと歳時記を見ると、「春の風色をいう」と書いてあります。「風色をいう」、これがまた難しい。掲句、あきさ亭で出て来た野菜スープ。春風を受けてほどよい色に育った野菜だろう、さらにそれに時間をかけた丁寧な仕事が加わり、澄んだ野菜スープになる。美味、、、。(2016年春詠)
春の鴨覚悟を決めて太りしか
太目の鴨を見つけた時の句です。なんだか、この地に残ろうと決めたのだから少しぐらい太っても、とでも言っているような、、、。(2016年春詠)
春落葉舞へば園児も保母も舞ふ
倉敷大原美術館の裏のほうにある幼稚園の風景です、、、。(2016年春詠)
それぞれの過去へ未来へ春の夢
過去へ未来へ自由に行ければこんな楽しい事はないのだろうが、これがなかなか難しい。それに楽しい夢は目覚めると忘れていることが多い。それどころか、最近は夢を見る事さえ減ってしまったような気がする。それはともかく、眠るには良い季節になった、、、。(2016年春詠)