昔話に花咲く二人土手の春

同じ時間に散歩に出ると同じ人に会う。私より一回りぐらい上と思える二人連れの男性、土手に設けられた河原へ降りる階段の一番上に並んで腰を下ろし、会話に余念がない。きっと昔話だろう、挨拶をして通り過ぎるだけで話の内容は分からないが、声の調子はやけに楽しそう、、、。(2019年春詠)

水脈重ねすでに通しの鴨の二羽

よく見ると川の鴨の数が増えたり減ったり、日々違っている。旅の途中の一休みといったグループもあるのだろうか、冬ほどの大きな集団ではないが、賑やかに泳いでいる。そこから距離を置いて、いつも見かける二羽。こちらはもう北へ帰らないと決めた二羽なのだろう、いつも仲良く静かに泳いでいる、、、。(2019年春詠)

竹爆ぜる音に野焼の佳境へと

農作業前の野焼のシーズンです。遠くから煙の臭いがしてきます。大きな音は竹の爆ぜる音です。昔、大丈夫かなあと思いながら見ていたら本当に火事になった事がありました。幸い民家にまでは及びませんでしたが、ご用心ご用心、、、。(2019年春詠)

スケッチの一心不乱風光る

倉敷美観地区での句、あちこちに自分の世界に入っている方が、、、。以前そんな方から絵葉書を頂いた事があります。ご自分の絵を絵葉書にしたもので、あ、あの時に見た景だと即座に思いました。実際にはお会いした事がない方ですが、もしかしたらあのスケッチをされていた方の中の一人だったのかも知れませんね、、、。(2019年春詠)

耕や田に一人増え二人増え

暖冬だから早いかと思えばそうでもなく、今年も啓蟄ぐらいから田圃に人が見られるようになりました。昨日は一人、今日はふたり、と、、、。早いものですね。この「犬と歩けば」も9年目に突入しましたよ、、、。(2019年春詠)

新しき道を祝くごと春の虹

久し振りに通ると長い間工事中だった道路が完成していた。山沿いをくねくね走っていた道が、田圃の中を真っすぐに伸び、その道路の脇から空へと虹がかかっていた。暫くはその虹を追いかけるように、、、。(2019年春詠)