解けさうで解けぬ知恵の輪養花天

引き出物で頂いたカタログの中から知恵の輪を選んでしまったことがあります。ほんの出来心ですが、これがなかなか難しい。かと言って説明書の答を見るのは嫌で、結局数個は解いたものの、残りはきれいに箱に入ったままもう数年になります、、、。四月でなくても馬鹿です、、、。良い季節になりましたね、、、。(2016年春詠)

ぼうとして立つ川端や柳の芽

遠くから見ると冬の間は枯色だった木がなんだか緑色がかって見える。それもはっきりした緑ではなく、ぼんやりと緑色に。視力の衰えかと何度か瞬いてみるが、いっこうにはっきりとはして来ない。まるで自分の頭の中のようだと、春の日差しの中で思ったときの句、、、。(2016年春詠)

堰越ゆる春水白き壁となり

近くにある堰です。吉井川の向こう岸まである大きな堰です。水量の多い時は水音がごうごうと遠くまで聞こえてきます。特に春先、雪解けの頃の堰は見ごたえがあります。見ていると引き込まれそうになります、、、。(2016年春詠)

花冷や屋根よりクレーンぬつと伸び

桜前線北上中です。とは言うものの、まだまだ寒い日がありますね。掲句は昨年ですが、先日の倉敷での句会の時に、アイビースクエアのメタセコイアの大木のそばにクレーンが伸びていました。メタセコイアよりも高く、見ごたえがありました、、、。(2016年春詠)

春の色重ねて野菜スープ清む

春の色ってどんな色だろうと歳時記を見ると、「春の風色をいう」と書いてあります。「風色をいう」、これがまた難しい。掲句、あきさ亭で出て来た野菜スープ。春風を受けてほどよい色に育った野菜だろう、さらにそれに時間をかけた丁寧な仕事が加わり、澄んだ野菜スープになる。美味、、、。(2016年春詠)