もう一句「一」で始まる句です。朝に時雨て夕方にもまた時雨、こんな日は昼間も薄日程度、一日寒いです、、、。(2021年冬詠)
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家一戸時雨の杜に灯りけり
また時雨の句です。時雨は好きな季語です。だから時雨の句は多いですね、、、。(2021年冬詠)
トンネルの入口出口時雨れけり
峠にかかる前から降り出し、そのまま長いトンネルに。長いトンネルだからきっと出る頃には止んでいるだろうと思っていたら、出口もやっぱり雨だった時の句、、、。(2019年冬詠)
向うにも一人時雨を急ぐ足
空を気にしながら出た散歩、案の定パラパラと。ふと見た田圃を隔てた向うの道にも同じような人が、、、。(2019年冬詠)
さつと照りさつと翳りて時雨かな
変化の激しい冬の空。日差を受けながらパソコンに向かっていると突然暗くなり寒さが襲ってくる。見ると窓ガラスの向うに時雨、その向こうには次の日差が、、、。(2017年冬詠)
山国の普通のやうにしぐれけり
とにかく時雨が多い。たぶん盆地の特徴なのだろうと思う。何でもない空からパラパラと降ってくる。夏ならどうってことのないほどの雨だが、冬に濡れるのは乾かないのでなかなか厳しい。これが普通なんだと強がりを、言ってはみても、、、。(2015年冬詠)
散歩にもハーフとショート時雨くる
ぐるりと回って戻ってくる同じ一つの散歩コースなのですが、いくつかの脇道があって場合によって選ぶようにしています。最短は500mほどのショートコース、家を出たものの雨が降り出し傘が無い場合はこのコースです。半ば走って回ります。1.5kmほどのハーフコース、空を見ながら雨がそろそろ来そうだと思う場合、あるいは降り出して傘がある場合のコースです。フルコースは3.5kmほどでしょうか、これが一番多い普通のコースです。問題はこの季節、降らないと思ってこのコースを選んだのに、時雨は突然に、、、。(2015年冬詠)
時雨るるや木枠の窓の磨硝子
木枠の窓も磨硝子も見かけることが少なくなりましたね。もちろん機能的にはアルミサッシや色ガラスのほうが優れているのですが、下手をすると外れてしまいそうな閉めるのに苦労する木枠の窓や、割れて一部分だけありあわせの透明ガラスを入れた、隙間から北風が入ってくるような窓が懐かしいですね、、、。(2012年冬詠)
時雨るるや茶店に紅き小座布団
衆楽園の中に小さな茶店がある。開いていたり閉まっていたり、しばらく続けて閉まっていると思っていたら、ある時通ると店の女主人が替わっていた。だいぶ若返っていた。以後はずっと開いているのかと思ったがそうでもなさそう、、、。この時は時雨の来るような寒い日で、表のガラス戸は閉まっていたが、軒下の縁台にはお決まりの赤い小さな座布団が並べられ客を待っていた、、、。(2012年冬詠)
目覚むるはホテル小窓を打つ時雨
四国赴任中の句、あれから二年かと思うと懐かしい、、、。その四国でお世話になった方から年末に食べきれないほどのみかんが届いた。その方が昔津山でお世話になった方が私の近所で、そこにも届けて欲しいとのことなので持っていった。声をかけたが、玄関は開いているのに留守だった。四国からの手紙が入っているので分かるだろうと、玄関に置いて帰った。しばらくして今度はその方が家へ来られた。「届けてくれてありがとう。これは他からの貰い物だけど」と、林檎と洋ナシと純米酒を出された。私はみかんを200mほど運んだだけで、申し訳ないと思いながら、それも遠慮なくいただいた、、、。みかんを四国から我家まで運んでくれた、もと部下のN君、ありがとう、、、。(2011年冬詠)