何だか急に秋が進んで、、、。(2017年秋詠)
風にある稲刈る匂ひ音もして
早稲、中生と進んで今は晩稲か、まだ風の中に稲の匂がある。遠くになったがコンバインの音も聞こえる、、、。(2017年秋詠)
店奥にこちら見る顔秋深し
某商店街吟行での句。平日の午前中ともなれば客の少ないのは致し方ないのだろう。店の灯りも少なめ、その奥のほうからこちらを見ているご主人らしき顔と目が合った。見れば客ではないのは分かるだろうが、多少は期待しているらしい心がその表情に見て取れた、、、。(2017年秋詠)
夕日背に夕日に勝る烏瓜
烏瓜は実が熟れて来ると俄然として存在感を増してくる。河原の茂みに中に夕日を背に真っ赤に売れた烏瓜の色は夕日の色にも負けてはいない、、、。(2017年秋詠)
もみづるや千手観音ゑみ深し
先日の台風後にちょっと北のほうへ走ってみました。車の少ない渓谷沿いの道は台風の残した落葉や枝で走りにくいぐらいでした。山は紅葉にはまだ早い感じでしたが、わずかに色づき始めた木々にカメラを向ける方も何人か、、、。(2017年秋詠)
秋日傘片手に絵筆走らする
10月に入って夏日とは、今年はいったいどうなっているのだろう。頭の感覚まで狂ったようで思うように秋の句が詠めない。困った困った、、、。(2017年秋詠)
路地ありて猫ゐて秋の日差かな
時間までゆっくりと過ぎていくような、好きな景です、、、。(2017年秋詠)
コスモスの背より高きを括る人
掲句は昨年、今年も先日の台風の前に見た風景。毎年よく育つコスモス。括っているのは小柄な女性、大変だと思いながら見ているだけ、、、。(2017年秋詠)
遅れ咲く彼岸花ふと母の事
母が亡くなったのは彼岸花の盛りの頃でした。その日に亡くなるなんて思いもしなかったので、病院へ行く途中で道草をして彼岸花の咲くお寺を一人で吟行したりしました。今となってはこれも想い出、、、。(2017年秋詠)
遮断機の下りし中へと秋の蝶
遮断機を前に列車の通過を待っていると蝶が一頭ふらふらと遮断機を越えて行きました。私の人間の頭は反射的に危ないと思うのですが、当然ですが蝶は平気で、何事もなくそのままふらふらと踏切を渡り切ったのでした、、、。(2017年秋詠)