人づてに聞いた蕎麦屋さんへ。農道沿いの辺鄙な所、ほんとにこんな所に?と走って行くと道べりにお店の名前を書いた小さな道しるべ。そこからさらに田圃沿いに、道しるべを見つけては走る事三度、たどり着いたのは元農家の普通の民家。門の外を作務衣姿の男がうろうろしているので聞くと亭主らしい。「いいですよ、ちょっと早いけど開けましょうか」と入れてくれた、、、。(2023年秋詠)
投稿者: 牛二
山門の外にも銀杏黄葉かな
今年はまだ青いのではなかろうかと行っていない某寺の昨年の大銀杏。あるのは山門の内側ですが、門の外の路上にも張り出した枝が、、、。(2023年秋詠)
明け近き空に声だけ鳥渡る
今年もあと二か月になってしまいました。掲句は昨年のもう少し前の時期。暗い中に声だけがして、とうとう姿は見えず、割と大きめの鳥のような声でした、、、。(2023年秋詠)
老ひし眼の瞑りて見ゆる銀河かな
田舎に帰れば光が少ないから銀河が見えるだろうと、帰る度に夜空を見上げるが、なかなか適した天候に巡り合わない。そこで思いついたのがこれ、確かこの辺と夜空を仰いで眼を瞑ると、、、。(2023年秋詠)
電球色のLEDやそぞろ寒
蛍光灯には水銀が使われているからと言う理由で数年後には無くなるらしい。フィラメントの裸電球はコストパフォーマンスが悪い。LEDにすれば安くて明るいのだが、あの煌めき感がもう一つ好きになれない。読書にはやはり裸電球が一番のような気がする、、、。(2023年秋詠)
灯火親し未だ読めざる父の文字
晩年は書に親しんだ父、額装した書がいくつか座敷の高いところに飾ってある。いつも分かったような顔をして眺めているが、いまだに読めない、、、。(2023年秋詠)
人の住む証杣家の吊し柿
先日も限界集落の柿の句を書きましたが今度はまだ干したばかりと見える鮮やかな色の吊し柿。明らかに人の住んでいる家、、、。(2023年秋詠)
朝寒の空に刃の月と星
昼間は半袖、なんて日もまだありますが、さすがに朝は寒くなりましたね。早朝に外に出てみると明けの空に細い月と星が寒そうに、、、。(2023年秋詠)
蟋蟀の鳴きつくしたる一個体
庭の隅に見つけた蟋蟀、すでに骸、、、。(2023年秋詠)
飛石にまだらの模様秋時雨
外に出てみると飛び石が半分ほど黒く濡れている。「ああ、もう時雨の季節か」と数日前に思いました。掲句は昨年の同じような景、、、。(2023年秋詠)