掲句は昨年、さて今回はどうだろう、と思いながら書いています。10月1日、秋晴れの朝を迎えたいものです、、、。(2017年秋詠)
カテゴリー: 2017
コスモスの投げ込んであるポリバケツ
雨で倒れたコスモスか。玄関前に置かれたポリバケツに無造作に突っ込まれている。と見せかけて、実は計算し尽くした演出かも知れない。散歩途中のお宅、、、。(2017年秋詠)
木の股にたらひが一つ秋出水
昨年の出水後の句。今年の豪雨ほどではないが、結構な水が出て、水が引いた後に行ってみると、河川敷の公園の隅に捨てられていた違法廃棄物がきれいさっぱり流されていた。流された廃棄物の行く末を考えると喜んではいられないのだが、などと考えながら歩いていると、川縁の木のちょうど目の高さあたりにゴミと一緒にプラスチック製の赤い盥が引っかかっていた、、、。(2017年秋詠)
蔦多き街廃屋の多き街
ちょっと坂道を山の方へ上ると廃屋が増える。日本全国そうなのかも知れないと思うぐらい、吟行に行くとよくそういう街に出会う。掲句も某所での吟行句。そしてお決まりのように蔦が茂っている。もともとは庭の景として植えられたものかも知れないと思うと、、、。(2017年秋詠)
朝まだき人影消ゆる霧の中
ああ、また霧深き季節が、と思った昨年のとある朝、川沿いの土手の道は特に霧が濃い。散歩ともウォーキングとも知れない前を行く人が、音もなく霧の中へ消えてゆく、、、。(2017年秋詠)
幼稚園バス賑やかに秋を来る
きかんしゃトーマスのような飾り付けの幼稚園バス、狭い道を運転手さん大変だなあ、と思いながらナンバープレートを見ると「2525」、なるほどニコニコね、、、。(2017年秋詠)
泣きさうな空へ新藁焼く煙
夏の暑さもひどかったが、ここに来てのこの雨の多さはどうだろう。一日晴れては数日間雨が続く天候では一向に稲刈が進まない。農家の方は困っておられるだろう。掲句は昨年、、、。(2017年秋詠)
秋夕日鴉まとまり帰りゆく
秋の夕空を鴉の群が帰って行く。なんと日本的な光景なんだろうと思う、、、。鴉は帰るというその行為では纏まっているのだが、実は群としては鳩や鴨のような纏まりは見られない。それぞれが自由気儘に飛んでいる。それも何だか面白い、、、。(2017年秋詠)
こほろぎの声の艶増す朝の雨
長く続いた旱の後の一雨、自然はすぐに反応する。降り続く雨は考え物だが、、、。(2017年秋詠)
秋の夜の一声響く遠汽笛
秋の夜に遠くから聞えて来る汽笛はどことなく哀愁をさそう。それは昔の蒸気機関車の低い音も今のディーゼルや電気機関車の甲高い音も同じ。ようするに聞く側の人間の心のあり様なのだろう、、、。(2017年秋詠)