秋の夕空を鴉の群が帰って行く。なんと日本的な光景なんだろうと思う、、、。鴉は帰るというその行為では纏まっているのだが、実は群としては鳩や鴨のような纏まりは見られない。それぞれが自由気儘に飛んでいる。それも何だか面白い、、、。(2017年秋詠)
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弥陀堂の奥まで差して秋夕日
秘仏公開に誘われて立ち寄ったお寺、本堂の手前の一段高いところに阿弥陀堂があった。お寺自体が山の上にあり、さらに阿弥陀堂は西向きで、秘仏の見学後に立ち寄った頃には沈みかけた夕日から堂の奥まで光が差していた。振り向けば夕日、前には光に浮かぶ阿弥陀様、なんとも美しい光景だった、、、。(2015年秋詠)
秋夕日一人になれば肩落し
今はそんな事もないのですが、勤めていた頃はそれなりに努力はしていましたし、緊張もしていました。それが、仕事が終わり一人取り残されて夕日を見たりすると、ふっと力が抜けるのです。今は力が抜けどおし、、、。(2010年秋詠)
伸びきつて吾が影薄し秋夕日
俳句だけでも戻らないかな、と少しずつやっているのですが、こうしてみると、駄句が多いですね。いつもお付き合いくださってありがとうございます、、、。(2010年秋詠)
川舟の岸に干されて秋夕日
母の実家は吉備郡(現総社市)の草田というところだった。伯備線の日羽という無人駅(昔から無人駅だった)で降りて、渡し舟で高梁川を渡った。対岸に船頭さんのいる小屋があり、合図をして日羽側に来てもらっていたはずだが、どうやって合図をしたのか、記憶が定かでない。小さな舟にしゃがみこんで、舟縁を打つ波音を聞きながら、するすると川を渡って行く。舟の周囲には魚の群が見える。わずかな時間だったが、子どもにはスリリングな時間だった、、、。掲句の川舟は国道53号線を走っている時に見た旭川の川舟、、、。(1999年秋詠)
機関区に機関車多し秋夕日
9月11日の句会から-6 おまけです。句会を終えて駐車場までJRの岡山機関区を通って帰ります。大きな整備工場に夕日が当っています。工場の外には広い敷地に何本もの線路があり、整備待ちと思われる機関車がたくさんとまっています。どれも少し疲れて見えるのは、秋の夕方だからかも知れませんね、、、。これで9月11日の句会は終りです、、、。(2013年秋詠)
秋夕日ポポの実ひとつ落つる音
ポポとか、ポーポーとか、ポポーとか呼ばれている北米原産の果物で、日本へは明治の頃に持ち込まれたらしいです。モクレン科で、真っ直ぐな木に朴のような葉をしています。果実は大きなアケビのようですが、色は緑、アケビのように熟しても割れません。味はなんとも表現が難しいですが、好き嫌いのはっきり分かれる味で、私はどうも、、、。植えたのはずいぶん前ですが、生り出したのはほんの数年前です。採り頃がわからず待っていると、熟したら勝手に落ちてきます。実も大きいので、音も大きな音がします。掲句はその瞬間です、、、。(2012年秋詠)