昨年の国道429号線の山道での句。朝霧の季節、家を出るとすでに霧の中、の日も多し、、、。(2021年冬詠)
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間延びして深山の鴉霧晴るる
どうやら朝霧の季節に入ったようだが、それでもまだ真冬ほどではなく八時頃になると晴れて来る。途端に気温が上昇し、散歩も歩きやすくなる。山の烏の声にもまだ冬の厳しさはなく、鳴き合う声に余裕が感じられる、、、。(2019年秋詠)
霧の中朝のサイレン遠く鳴る
今住んでいる所も霧の多いところですが、子供時代を過ごした実家も霧の多いところでした。実家から2kmぐらいの所にある小学校の屋根にサイレンがあり、朝晩に刻を告げていました。掲句は昨年の散歩途中で聞いたサイレンですが、ふと子供の頃に聞いた、今は廃校となったその小学校のサイレンを思い出しました、、、。(2018年秋詠)
朝まだき人影消ゆる霧の中
ああ、また霧深き季節が、と思った昨年のとある朝、川沿いの土手の道は特に霧が濃い。散歩ともウォーキングとも知れない前を行く人が、音もなく霧の中へ消えてゆく、、、。(2017年秋詠)
霧の中朝日そびらに墓光る
朝霧の季節になりました。霧と言っても、そんじょそこらの霧とは違う、三十分も歩けば眼鏡は曇るし、着ているものまでしっとりと濡れたようになる霧です。この霧がお昼近くまで居座るのだから、県北は、、、。(2013年秋詠)
晴るる日の予感の霧の流れけり
秋が深まるにつれ岡山県北部では霧に包まれた朝を迎えることが多くなります。霧が深いのは晴れる日のしるしですが、霧が消えるのは遅くて、お昼ごろになってしまうことさえあります。掲句は美咲町大垪和西の棚田(日本の棚田百選)に句友を案内したときの句。着いた時には棚田全体がすっぽりと霧に包まれた寒い朝でしたが、歩き出すと待っていたかのように霧が流れ、太陽が覗き始めるのでした。その時の句を少し続けます。<その1>(2009年秋詠)