春の雪積んで双葉の重さうに

なんだか寒い日が続いています。雪に霜に氷、せっかく伸び始めた庭の植物たちも大変です。植物にもよりますが、朝は可哀そうなぐらいしおれています。凍らないように夜のうちは水分を吸い上げない構造になっているそうです。それで朝はしおれているのですが、それが朝日とともに起き上がってきます。しおれて起きて、しおれて起きて、毎日がその繰り返し、それで強くなってきれいな花が咲くのだそうです、、、。(2021年春詠)

足型の踏絵の如し列につく

歳時記によると踏絵は多く春に行われた事から春の季語に分類されたそうです。掲句の足型はコロナ禍のソーシャルディスタンス確保のために床に貼られた足型、二年も経つとつい忘れてしまいそうになる、、、。(2021年春詠)

水門のペンキ塗り立て風光る

川土手に設けられた水門、冬の長い間工事中の看板が出ていたがやっと終わったらしく、ある朝看板が「ペンキ塗りたて」の表示に変わっていた。色は薄いブルー、春の川によく合う。あれから一年、もちろん看板はもう無い。水門の薄いブルーはそのままだがすっかり景色に溶け込んだ色になっている、、、。(2021年春詠)

こつそりと戻りて猫の恋終はる

うっかりしていましたが気づけばこの「犬とあるけば」ももう十年を超えているのです。早いものです。で、いままでの投稿を「猫」で検索すると115件、「犬」で検索すると159件となりました。猫がだいぶ犬に近づいてきた感があります。愛犬もみじが亡くなって二年半、無理もありませんね。思い出が尽きる事は無いのですが増える事はありませんから、、、。(2021年春詠)

春雨や砂場に残るLOVEの文字

確か昨年の2月14日の事だったと思い出したのでこの句を。散歩でいつも通る道沿いの河川敷にある砂場、土手の上から見るとLOVEの文字が雨に濡れている。はたしてこの恋の行方はいかに、、、。(2021年春詠)