春の雪ごま塩ほどが石の上

今年は雪が多い年でした。ここ何年もほとんど積もった記憶が無く、このぶんだと冬用タイヤはもう要らないかと思っていましたが、いやいや、雪は忘れた頃にやって来るものです。捨てられません。掲句は昨年、これぐらいなら可愛いものです、、、。(2022年春詠)

春の雪積んで双葉の重さうに

なんだか寒い日が続いています。雪に霜に氷、せっかく伸び始めた庭の植物たちも大変です。植物にもよりますが、朝は可哀そうなぐらいしおれています。凍らないように夜のうちは水分を吸い上げない構造になっているそうです。それで朝はしおれているのですが、それが朝日とともに起き上がってきます。しおれて起きて、しおれて起きて、毎日がその繰り返し、それで強くなってきれいな花が咲くのだそうです、、、。(2021年春詠)

連なりし山の遠近春の雪

寒いと思って北を見ると山に雪があります。冬と違うのはその量です。山の頂あたりに少し、それも県境あたりの山だけに見えます。小学生の頃に習った中国山地です。山脈と山地の違いがよく理解できなかったのですが、それがやっと分かるようになりました。連なっているように見えて実は遠近のある独立した山々なのです。だから同じぐらいの高さに見える山でも遠くの山にだけ雪が見えるのでしょうね、、、。(2020年春詠)