春雨や砂場に残るLOVEの文字

確か昨年の2月14日の事だったと思い出したのでこの句を。散歩でいつも通る道沿いの河川敷にある砂場、土手の上から見るとLOVEの文字が雨に濡れている。はたしてこの恋の行方はいかに、、、。(2021年春詠)

春雨や濡れて色増すトルコ皿

倉敷美観地区にあるトルコのお店、軒先に異国の雑貨が並んでいる。トルコ皿もその一つ。いつもその鮮やかな異国模様を見て通る。いつも見るだけだがその日は雨、雨の中で濡れた皿の模様がいつもより更に鮮やかに見えた、、、。(2017年春詠)

春雨や菓子舗花屋と続く街

冷たい雨の中を吟行に出る。早島いかしの舎から早島公園へ向かって少し歩いたところ、落ち着いた街並の中に古い小さな店が続く。ほとんど人通りはなく、店を覗いても明りで開いていると分かるものの人影はない。もっともそのほうが吟行には都合が良いのだが、、、。(2018年春詠)

春雨や窓にうるみし茶房の灯

早島のいかしの舎の一角にある茶房いかしの舎、窓からは庭園の一角が眺められる。外は雨、窓ガラスは暖房と厨房の湯気と雨とでしっとりとしているのだろう、庭の景色の中に室内の灯が映って、潤んで見えていた、、、。(2014年春詠)