ロッカールームで着替えていると、先日登場していただいた老人が入ってきた。「つかぬ事を伺いますが、俳句をされるんですなあ」「ええっ、どうしてご存知なんです?」「いやあ、車のナンバーが819なんで、一ぺん聞いてみよう思うとったんです」「ああ、そうですか。何でご存知なのかとびっくりしました。はい、そうなんですよ。俳句、お好きなんですか?」「いやいや今はしようらんのですがな、若い時にね、長いこと入院したことがあったんですよ。それですることが無うて退屈なもんで俳句を勉強したんです、、、。一ぺんだけ中村草田男に採ってもらいました。”病院・・・ベッド・・・大昼寝(早口でよく聞き取れなかった)”だったかな。それがもう、うれしゅうてうれしゅうて、今でも忘れられんですなあ」とにこやかな顔で、心底うれしそうに話された。今は全くされていないようだが、またいろいろ聞いてみようと思う、、、。(2013年夏詠)