川舟の岸に干されて秋夕日

母の実家は吉備郡(現総社市)の草田というところだった。伯備線の日羽という無人駅(昔から無人駅だった)で降りて、渡し舟で高梁川を渡った。対岸に船頭さんのいる小屋があり、合図をして日羽側に来てもらっていたはずだが、どうやって合図をしたのか、記憶が定かでない。小さな舟にしゃがみこんで、舟縁を打つ波音を聞きながら、するすると川を渡って行く。舟の周囲には魚の群が見える。わずかな時間だったが、子どもにはスリリングな時間だった、、、。掲句の川舟は国道53号線を走っている時に見た旭川の川舟、、、。(1999年秋詠)