俳人の見つむる先の秋日かな

倉敷美観地区にある新渓園の四阿に我が師富阪宏己の姿を見つけた。一心不乱に句作されている姿は近寄りがたい。何を詠もうとされているのか、その視線を追った先には溢れる秋の日差とロダンの像、さてどんな句になるのだろうと楽しみに思いながらその光景を記憶に焼き付けた。ついでに俳句帳にも、、、。昨年の今日、これがお元気だった師との最後の句会となってしまった、、、。(2018年秋詠)

秋風や転がりやすきポポーの実

落ちた頃が食べごろとかで、シーズンには毎日何個もが落ちて転がっている。TVでお肌に良いと放送されたとか、道の駅でも結構な値段で売っているらしい。私は苦手、もっぱら落ちてゐるポポーを拾う係です、、、。(2018年秋詠)

一山を映し山湖のもみぢけり

山の秋は早いですね。先日429号線を走っていて、真っ黄色になった銀杏の木を見つけました。川を挟んだ山の中腹だったので止まって確かめましたが、確かに枝ぶりは銀杏の木でした。掲句は昨年、そこから少し下ったダム湖の景、、、。(2018年秋詠)

風過ぎて安堵の声の秋の蝉

台風17号、日本海を通るコースから風を心配しましたが、難なく過ぎてホッとしています。昨日の朝の空気、家の中より外のほうが暖かかったです。数は減っていますがまた蝉が元気を取り戻して鳴いています、、、。(2018年秋詠)

霧の中朝のサイレン遠く鳴る

今住んでいる所も霧の多いところですが、子供時代を過ごした実家も霧の多いところでした。実家から2kmぐらいの所にある小学校の屋根にサイレンがあり、朝晩に刻を告げていました。掲句は昨年の散歩途中で聞いたサイレンですが、ふと子供の頃に聞いた、今は廃校となったその小学校のサイレンを思い出しました、、、。(2018年秋詠)