雪解けに限らず増水した川の流れを見ていると生命力を感じる。出水の濁った川は川そのものが巨大な蛇のように思えるし、雪解川の水流は何かの拍子に巨大な魚の尻尾のように岩を打ち飛沫を飛ばす、、、。(2019年春詠)
月: 2020年2月
余寒なほ遠くの山に白きもの
暖かくなったり、寒くなったり、、、。(2019年春詠)
相寄りてなほ囀の続きけり
賑やかになってきましたよ、、、!(2019年春詠)
春光や広き鶏舎に鶏一羽
大きな鶏舎が三つに区切られている。静か。全部空っぽと思いきや、通り過ぎようとすると端っこの一角に鶏が一羽。コッココッコと言いながら出て来た。姿から白色レグホンだろう。春の光がまぶしい倉敷阿智神社の鶏舎、すなわち神鶏、、、?(2019年春詠)
小さき庭なれど遅速の梅二本
たまたまか、意図的に植えられたものなのか。他所の庭なれど気になる、、、。(2019年春詠)
イーゼルの並ぶ街角うららけし
倉敷美観地区へ行くと絵を描く集団によく出会う。思い思いに膝の上にスケッチブックを開いたり、夏になると片手に日傘片手に絵筆なんて姿も目にする。あんなふうに自由に絵を描ける人が羨ましい。時々本格的にイーゼルを立てて一心不乱の人も、、、。(2019年春詠)
チェンソーの音の覚めよと春の山
友人から借りて来て初めてチェンソーを使ってみました。怪我をしないようにとそればかり気にして、それだけで疲れてしまいました。しかしパワーは確かに凄い。このひ弱な手で大きな木もなんなく切れるのですから。面白くて必要な木まで切ってしまいそう、、、。(2019年春詠)
捨てられてバケツ底無し冴返る
砕石場横の草むらにブリキのバケツ、誰がこんなところにと覗いて見ると底が無い。底が無いのにいくつかの空缶が入れてある。一年経った今も同じところに、もう周囲の色になじんで誰も気づかない、、、。(2019年春詠)
一歩づつ重ねて百歩試歩の春
昨年の春、愛犬の試歩です。「引っ張っているようにしか見えん、可哀そうじゃが」とよく言われました。決してそんな事はなくて、犬のペースでゆっくり、ゆっくり、、、。(2019年春詠)
うららかや車夫も英語ですらすらと
昨年の倉敷美観地区での句。流暢とまでは行かないが、外人客の質問にすらすらと答える人力車夫、お見事でした。今年はコロナウイルスの影響で たぶん 人が少ないでしょうね、、、。(2019年春詠)