玄関を開けて遊ぶ子五月来る

五月になりました。会社勤めの頃は五月の連休が楽しみでした。職を辞して毎日が休みになってみれば、別にどうって事はないなあ、、、。掲句、休日のちょっと遅めの散歩で見かけた風景、玄関先で遊ぶ子を見ることも少なくなったなあ、、、。(2013年春詠)

大銀杏五月の空を抱へけり

庭瀬吟行での句、公園の大きな銀杏の木を下から見上げると、若葉で覆われた枝が、まるで下から空を抱えているかのように見えました。空は晴れ、薫風吹き渡る、まさに五月の一日でした。あの空が懐かしい、そんな昨日今日の梅雨らしい日々です、、、。(2011年夏詠)

風さつと吹いて五月の夜の電車

<その3>やっと駅に着きました。とりあえず一息ついて、姉夫婦に別れを告げます。行先掲示板を眺め、切符を買って自動改札口へ。ちゃんと通れるのかと不安になりながら、切符を投入口に。あっという間に吸い込まれた切符は、既に向こうにちょこんと覗いています。やれやれ。路線表示を確かめながらホームへ。ほどなくしてサッと風が吹き、風を押すような形で電車が入って来ました。(2012年夏詠)

外は雨中は五月の絵画展

絵画展、それも素人の無料の人の少ない絵画展。入口には受付があり、芳名禄が置いてあるが誰もいない。こっそりと受付をすり抜けると、絵の前に佇んでいる人もまばらである。出る頃には受付に人が戻っていて、「ありがとうございました」と声をかけられる。そんな絵画展が好きで、図書館の帰りに寄ったりした。(1998年夏詠)