小六月門扉くぐりて猫戻る

久しぶりに門扉をくぐって帰って来る猫を見て思い出した昨年の句。この頃はまだ家に来たばかりで、身体も小さかった。門扉の下の隙間をするりと器用に抜けて入って来れた。今は一人前(一猫前)の大きさで、そう簡単には抜けられない。二三度やり直して、無理やり身体をねじ込んで入って来る、、、。(2023年冬詠)

北風やカラリカラカラ土竜除け

ペットボトルを開いて風車にした土竜除け、軽いせいか市販品の木製の物より音が軽い。音が軽いって事は振動が小さい。ならば効果も小さいかも知れない。そんな事よりこの土竜除け、柿の木の天辺に付けてある。ん?、という事は土竜除けじゃあなくて鴉除けか、、、。(2023年冬詠)

片時雨むかし戦の国境

川を境に片側だけ時雨れている。平成の大合併で同じ市になった所だが、知り合いの老人の話だと、昔はこの川が尼子と毛利の国境だったとか。合併してもそう簡単には行かんじゃろう、と言うのがその老人の話だったが、、、。(2023年冬詠)

待合のテレビ体操冬うらら

天気の良い穏やかな日だった。何回目だったか忘れたがコロナのワクチン接種に行ったクリニックの午後。待合室のテレビに合わせて体操をする女性が一人。午後はワクチン接種だけなのだろう、その接種にもまだ少し時間がある時間帯、、、。(2023年冬詠)

茶の花や背戸に日の差す一所

実家での句です。実家には昔何本も茶の木がありました。普段使いの番茶は母や祖母がその葉を焙烙で煎って保存したものを使っていました。煎る時の匂いも、番茶の味も好きでした。煎茶は収穫した新芽を製茶工場に出して自家用に加工してもらいました。これも子供ながらに好きで、よく父や祖父の相手をしながら飲んだものです。今はティーバッグの安いお茶で我慢しています、、、。句とは無関係ですが今日は勤労感謝の日、、、。(2023年冬詠)